コラム

ストリングのこと、
考えてます。

  1. HOME
  2. コラム
  3. JRSAって、どんな団体?(後編)

JRSAって、どんな団体?(後編)

先輩は「伝えることで学び」、追求の動機付けとなす!

「JRSAは不思議な団体ですよね?」とメーカーの営業さんに言われたことがありました。

「だって、みなさん、ライバル同士でしょ? 同一メーカーの仕事を一緒にしている関係ならわかりますけど、ライバル同士で教えあったり、勉強するって、なんだか不思議に思います」

そうですよね。
私も入会するまでは、「日本のトップストリンガーの方々がたくさんいるのはなぜ?」と思っていました。
名実ともに知られている人が、団体に所属するメリットも理由もわからなかったからです。
それに、もっとびっくりしたことが、そのような方々が、自主的にJRSAの活動を熱心にされていることです。
ワークショップや懇親会などJRSAの活動には、準備も時間もけっこうかかります。
自分の時間を使って、会に協力するのはどうして? と不思議に思いながら参加をしていました。

でも、参加を続けていると、わかってきたこともあります。
※あくまで私個人の感想ですよ……

この仕事が好きで、この道を究めたいと思う方々が集まっている。
多くの人と情報交換をして、ストリンガーとしても、商売人としても、さらなる高みを目指したい。
先輩やメーカー各社さんにお世話になった恩義を、あとに続く方々へ返したいと思っている。
この仕事に誇りを持つ人が増えてほしいと願っている。

もちろん個人の考えはそれぞれ違うと思いますが、単なる職業としてだけでなく、ラケットスポーツ愛を、多くの先輩たちが持っています。
それがJRSA活動の原動力になっているのだと思います。

中学、高校のクラブ活動のような感じもあります。
「先輩:後輩」の関係はありますが、「先生:生徒」の関係ではありません。
「共に考え、共に学ぶ」、「先輩から学んだことを後輩に伝える」というのが基本にあるのだと思います。

ワークショップでは、「マジか?」と思うようなことも行なっています。
ナチュラル・ポリエステル・ナイロンのストリングをクーラーボックスに入れてキンキンに冷やしたものと、ガンガンに熱したものと、常温のものをそれぞれ張り上げたテンションや時間経過後の変化を見たこともありました。
また、素材、太さの違う30種類ほどのストリングの「重量・長さ」をすべて計測し、同じラケットに張り上げたときのラケットスペック、テンションの違いによるストリングの伸縮率などの違いを計測したこともありました。

研究室で行なうような科学的な検証ではありませんし、結果的に「で、それで?」となることも多々あります。

ですが、多くの方が思う疑問点を自分たちなりに考え、結果を予測し、実際に行なってみるのは意味のあることでした。
「答を教えてもらう」のではなく、「考えることを学ぶ」「実際に行なって知る」場がJRSAなのかな?と個人的には思っています。

一人ではできないことも、多くのメンバーがいることで可能になります。
賛助メーカーの協力も大きな力です。
興味のある方はぜひ、私たちとストリンギングを追求してみませんか?
優しく、面白く、厳しい先輩方がたくさんいらっしゃることは……間違いありません。

筆者
畑 恭彦(テニスプレイス ピア)
店舗情報
兵庫県神戸市西区伊川谷町有瀬320-1
グリーンヒルプレイス1F

078-976-8777

関連コラム