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ストリングのこと、
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ポリエステル系は「断面」「表面」が自在で面白い

丸型、多角形、角張り、凸凹、ザラザラ

ポリエステル系(以下 ポリ系)が反発力を生み出す性能的要素は、ざっくり考えて素材が8割。
あとの2割は表面加工によるものと考えていいでしょう。
ひとくちにポリエステルといってもなかなか複雑で、
数種のプラスティック樹脂のブレンドによって構成されています。

それぞれの樹脂素材は成分が微妙に違い、
どれをどのくらい混ぜ合わせるかによって、反発性能などが左右されます。
伸縮性能、テンション維持性能、打球フィーリングは、
この「樹脂素材比率」によってコントロールされるわけです。

また、ポリ系ストリングは素材自体が非常に硬いため、
ナイロン系ストリングのように芯糸を守るための側糸を必要としません。
そのせいもあって、丸形断面のストリング表面をツルツルに仕上げることができます。
そのおかげで、糸同士が食い込み合う「ノッチング」が発生しにくく、
ストリングが可動しやすくなって、スピン性能を上げることができます。
これにより打球の持ち上がりが高くなり、飛びが出るように感じる場合があります。

また逆に、ストリングを射出するノズルの形状を選ぶことで、
六角形、五角形、星型角など、「角」を作る断面形状にできるのもポリ系ストリングの特徴です。
また、側糸がない単独素材構成ですから、ストリングの表面に凸凹ラフ加工を施すことも可能で、
これらにより「ボールへの引っ掛かりをよくする」というコンセプトもあります。

よく「何角形がいちばんスピンがかかりますか?」と尋ねられます。
でももし、どれがいちばんスピン性能に優れているかの答があったとしたら、
テニスショップのポリ系ストリングコーナーは、すべて同じ断面形状のパッケージで埋め尽くされるでしょう。

そうならないのは、プレイヤーのパワーレベル、スウィングスタイルなどによって、
スピンのかかり方が違うからです。
五角形がドンピシャの人がいれば、六角形が最高だと言う人がいるし、
いやいやスナップバックしやすい丸型がいちばんだ!と言う人がいます。

ナイロン系における「構造」は「内部構造」であり、
ポリエステル系の「構造」は「外面的な断面形状」であるという対比も、なかなか面白いですね。
シンセティックストリングの構造はきわめて多彩であり、どの構造や素材が自分の好みに合うか、
またプレースタイルにフィットするかを探しながら、こまめに張り替えて試すのも、テニス道具の楽しみ方の一つです。

[筆者:松尾高司(KAI project)]

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