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ストリングのこと、
考えてます。

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ナチュラルガットとシンセティックストリング

総称はストリング、ガットはナチュラルだけ

ストリングに気を使わないプレイヤーは「ストリングってタイプによってどう違う?」かを
ほとんど知らないでしょう。

少しストリングに気を使うようになって、素材の違いを少しは知っても、
まだ詳しくは知らないのではないでしょうか。

しかし、本当に強くなりたい、上手くなりたい、快適にプレーしたいと思うのなら
「素材」「内部構造」「太さ」の違いによって性能的に何が違うかは、
知っておくべきでしょう。

ストリングは、素材によって
「ナチュラルガット」と「シンセティックストリング」に分けられます。
ナチュラルガットというのは、動物の腸(今日はおもに牛腸)を原料とするもので、
非常に伸縮性に富み、本来の性能維持がもっとも高いものです。
伸縮性の高さは「高い反発性能」を生み、その性能が非常に長く続くのが特徴です。

みなさんは「ラケットに張るのはガット」と思っていませんか?
プロのストリンガーでもガットという総称を使うのが習慣化していますが、
「ガット」はナチュラルガットにだけ使うべき言葉です。
海外で「ガットください」と言うと、100%「ナチュラルガット」を出されます。
「そうじゃなくコレ!」と指差せば「オーマイガット」と笑われますよ(笑)。

では正しい総称は何かというと「ストリング」。
これがすべての総称で、その中で動物の腸を原料とするものだけを「ナチュラルガット」と呼び、
その他の化学合成原料によって作られるものを「シンセティックストリング」と呼ぶのです。

「だけど【◯◯ガット】って商品があるじゃん!」。
う〜ん、それは「商標」「商品名」です。
大人の解釈をしましょうね。

筆者
松尾高司(KAI project)
1960年生まれ。試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。
おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。

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