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ストリンギングブース

テニスはワールドワイドなスポーツだ。
アメリカ、ヨーロッパ、南米、アフリカ、アジア世界各国でツアーが開催されている。
約20年前、ドイツのハンブルグでチャレンジャー大会を観戦する機会があり、16歳のラファエル・ナダル選手を、間近で見ることができた。すでにスターのオーラが漂っており、インドアカーペットの超速いコートであったが、相手に振られた状況で、ベースラインの後方から、ここしかないという所にバックハンドでクロスコートにパスを決めたのは、圧巻であった。

80年代~90年代のコナーズ、マッケンロー、サンプラス、アガシらを擁したテニス王国アメリカの時代から、アンツーカーを得意とするクエルテンなどの南米系選手が台頭し、2000年代~現在ではフェデラー、ナダル、ジョコビッチ等、多くのヨーロッパ選手がツアーを支配する時代になってきている。

この間、ラケットやストリングの進化、選手のフィジカル能力の向上により、テニスのスタイルも変わってきた。コロナ禍において行動の制限が続いているが、コーチやストリンガーとして第一線のプレイを見て、目を養うということは重要だ。

世界中でツアーが開催されているが、やはり無くてはならないのはストリンギングサービスであろう。コートサーフェス、ボールの種類、気温、湿度、標高による気圧等、プレイに影響のある要因に対して、選手はアジャストしていかなければならない。それらをサポートするのがストリンガーである。

グランドスラムトーナメントになると数十台のストリングマシンが並べられ、世界のストリンガー達が真剣勝負で仕事をこなしている。試合観戦やプロ選手のプラクティスを見るのも楽しいが、ついついストリンギングブースが気になってしまう。オーストラリアンオープンでは一般客からストリンギングブースを観察することができた(近年はわからないが……)。

JRSAにはグランドスラムや世界のツアーでサポートするストリンガーも多く、現場の情報を知る機会があることは大きい。
世界のテニスを見て、聞いて、感じた情報を、一般のお客様や選手に還元したい。
お客さんのプレイ環境はどうなのか、サーフェス、ボールや気温、コンディションにより、よりベターなプレイができるようサポートしたいものだ。

ラケットやストリングの進化により、これからも新しい気付きがあるであろうが、日々修行である。
ストリンガーの先輩たちがつねづね口にしている、「たかがガット張り、されどガット張り」だ。

筆者
山村 好孝(テニスハウス レッツプレイ)店舗情報
福井県福井市北四ツ居1-28-28
0776-54-8151

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