□ 1.前回の張替から3ヶ月以上経過している

ストリングは、張り上げてから時間の経過とともに性能が劣化します。
日本ラケット工業組合の実験により、使用の有無にかかわらず、早いものでは半月、遅くとも3ヶ月程度でストリングが硬化し、弾力性を失うことが確認されています。
弾力性を失った状態では、ストリング本来の性能が発揮できず、打球時の振動が増加して手首や肘を痛める原因となる場合があります。
そのため、最長でも3ヶ月に1度の張替を推奨します。
出典:日本ラケット工業組合

□ 2.炎天下や車内に長時間放置してしまった

ナチュラルガットをはじめ、多くのストリング素材は熱に弱い性質を持っています。
高温環境に長時間さらされると、ストリングだけでなくラケット自体の性能も損なわれるおそれがあります。

□ 3.手首や肘が痛い

テニスをはじめとするスポーツには、一定のケガのリスクが伴います。
ストリングの種類や材質、テンションがプレーヤーに合っていない場合、そのリスクはさらに高まります。
痛みや違和感を感じた際は、ストリンガーに相談し、自分に合ったストリングやテンションを見つけましょう。

□ 4. 妙に柔らかく(硬く) 感じる

ストリングは張り上げた直後から、性能が徐々に低下し始めます。
張りたてのときと感触が大きく異なると感じた場合は、張替を検討してください。

□ 5.コントロールしにくい・スピンがかかりにくい・飛びが悪い

1項で記載したとおり、ストリングは時間の経過とともに弾力性を失うことが確認されています。
弾力の低下やストリング表面のコーティング劣化により、スナップバック(ストリングがスライドして戻る動き)が起こりにくくなります。
その結果、コントロール性の低下・スピン性能の低下・飛びの悪化などが感じられるようになります。

□ 6.ストリングの交差部分に凹み(ノッチ)やストリング自体に”ほつれ”がある

ボールを打つたびに、ストリング同士が擦れ合ったり、ボールに付着する砂などによってストリング表面に傷がつきます。
メインとクロスの交差部分に凹みができると、ストリングの動きが悪くなり、コントロール性能を損ないます。
特にマルチフィラメント構造のストリングは、極めて細い繊維を束ねて作られているため、打球時に繊維が少しずつ切れ、毛羽立ちやほつれが生じます。
これらの状態になると、第5項で記載した性能低下に加え、ストリング自体が切れかけている可能性があるため、張替が必要です。

□ 7.ストリングが”過度”にヨレている

ストリングの性能の劣化により弾力が低下すると、スピンを生み出すために重要なスナップバック(ストリングがスライドして戻る動き)が起こりにくくなります。
その結果、ストリングが過度にヨレたり、コントロール性の低下を感じる場合があります。